エンベデッドシステムスペシャリスト試験
情報処理推進機構(IPA)が主催のエンベデッドスペシャリスト試験というものがあります。
まったく。一般的な試験区分では無いので、聞いたことが無い方は多いと思います。
組み込みソフトウェアエンジニアの方は、受ける意味を記載しているので、最後まで読んでください。
この忙しいのに、私、エンベデッドスペシャリスト試験に申し込みをしてしまっています。
試験日は、4月21日です。
どんな試験
「ITパスポート試験」、「基本情報技術者試験」、「応用情報技術者試験」というソフトウェア開発エンジニアが必要とされる技術要件を理解できている前提となります。
これらの上位試験として、「システムアーキテクト試験」「ネットワークスペシャリスト試験」「 データベーススペシャリスト試験」等があります。
その上位試験の一つとして、「エンベデッドシステムスペシャリスト試験」というものが並びます。
資格ではありませんので、試験に合格したからといって、できる仕事が増える訳ではありません。
職場で、偉そうにできるだけです。
英語ができなくても、仕事くらいできないと問題あるのでは、と思った私は、応募してしまったのです。
かなり、勉強する時間が無いので、自信ないです。無謀です。
テスト時間も無茶苦茶ハードです。
AM:50分+50分+40分
PM:90分+120分
まずは、この試験を受けるための体力づくりが必要です。
毎日、走り込みかな。
ちょっと自信は無いですが、受けてみなければ、どれくらいできないのかがわからないので、受けてみます。
受けるからには、真面目に勉強します。
試験範囲
これまた、とんでもないです。
この試験では、「ITパスポート試験」、「基本情報技術者試験」、「応用情報技術者試験」のレベルは理解できている前提で試験があります。
そのため、もちろん、下位のテスト範囲は全部です。
普通は「基本情報技術者試験」を受けて、その後に「応用情報技術者試験」を受けてと順番にいくものです。
その上で、組み込みソフトウェア開発における独特な分野のテストが範囲となります。
英検で例えるなら、こんな感じでしょうか
「基本情報技術者試験」=英検2級
「応用情報技術者試験」=英検準1級
「エンベデッドスペシャリスト試験」=英検1級
ですが、上位試験の中では一番カンタンだと言われているようです。ショック
組み込みソフトウェアって何
いま流行りのIoTなどは、組み込みソフトウェアでしょうか。
少し違う気がします。
最近のIoT分野は、できあがったハードウェアにLinux等が組み込まれた状態からシステム構築することが増えているので、それほどハードウェア知識はなくても可能になってきました。
パソコンやスマートフォン等で動作するアプリケーション(ソフトウェア)の場合も、できあがったハードウェアがあって、その上にWindowsやAndroidといったOSがインストールされていて、そのOSの仕様にのっとってアプリを作れば良いことになります。
それらとは、少し異なり、組み込みソフトウェアというのは、実現する機能が決められていて、それを実現するためには、どのようなハードウェア構成にするのかを決めるところから始まります。
MainのCPUは、何にする?周辺のデバイスは何が必要?
その上で、動作するソフトウェアは、何が必要?
OSいる?いらない?
もちろん、それらを考えるためには、データベースやネットワークの基礎的なところも知らなければ、いけません。いろいろな通信仕様や、デバイスの仕様も知らなければなりません。
ソフトウェア開発の計画の立て方、品質の確保の仕方なども当然の知識になります。
いろいろなことを考えながら、システムを開発するのが組み込みソフトウェアになります。
組み込みソフトウェアという分野では、Webプログラミングや、アプリケーション開発とは、少し違う知識が必要です。
もちろん、CPUって何?CPUってどうやって動くの?ということも知っている必要があります。
仕事には直接役に立たない
しかし、この試験の内容が、実際仕事に使える内容なのかというと
はっきりいって、直接役に立ちません(きっぱり)
この試験に合格したからといって、仕事ができるようにはなりません。
この試験に合格できなくても、仕事はできます。
私は、ソフトウェア開発エンジニアとして飯くってますが、さすがに勉強しなければ合格できないと思います。
仕事に必要な知識とは、少しずれているのは間違いありません。
何度でも言いますが、要は、この試験が合格できなくても、仕事はできるってことです。
実際の現場でも、この試験に合格している人は居ません。そもそも、受けている人が居ません。
それが実態です。
何故、受けるのか
「そこに試験があるからだ。」違います。
直接、仕事に役に立ちませんが、組み込みソフトウェア開発を実行する上での基礎的な内容が網羅されています。
やはり、職場の同僚や上司に発言する際、自分のレベルを分かってもらった方が早いです。
基礎的な知識を理解した上での発言ということになりますから、職場で発言する意見の信用度があがります。
顧客、委託先などの関連会社のエンジニアとの会話においても、基礎的な内容は理解している前提での会話から始められることが伝わるということは、それだけ相手の技術力を探りあう無駄な時間が減ります。
部下にものを教える場合も、同じです。
最近の新卒の方々は、「基本情報技術者試験」くらいは、当然取得してくる時代です。
そのレベルの知識をもっていない先輩から、偉そうに教えられても信用できないですよね。
要は、職場で、偉そうにできるのです。
特に「エンベデッドシステムスペシャリスト」で無くても良いです。
これから合うエンジニアと対等に会話するためには、せめて「基本情報技術試験」でも良いので、受けましょう。
ということを思いっきり職場で言いたいので、私は受けます。