先日、オフショア活用を促進するための活動なるものが発起されました。
オフショアっていうのは、日本のエンジニアは単価が高すぎるので、海外の安いエンジニアをもっと活用しようっていう話です。
オフショアって、もちろん海外を相手にしなければならないので、言語が違います。距離もとても遠いところの人達とうまく仕事していかなければなりません。時差もあるので打ち合わせをすると昼と夜ほどのギャップがあります。
文化の違いもあるので、休日の考え方、仕事に対しての意識も違います。日本の慣習など知らない方達なので、そういった小さなギャップを理解してもらって、理解してあげることが必要になります。
今回のような防疫の対策が始まると、すぐに渡航禁止になったりするリスクも考慮しなければなりません。中国の武漢とも沢山の仕事をしていますが、それはそれは大変です。
そもそも、このタイミングで?って思ったのですが、どうも非常にやる気を出している担当者がリーダーにアサインされているようで、すごい使命感がある空気を漂わせています。
そのリーダーが私の元に相談に来たので、「何か問題なの?」と聞いてみました。
ごにょごにょと良くわからない返事をされました。
(何を言ったのか良くわからなかった。)
彼にしてみれば、非常に運が悪かったのだと思います。
ちょうど、私が忙しすぎて疲れていたところでしたので、はっきりしない態度にイラッとしてしまいました。
私は、彼が活動のリーダーを任されているのだから、この活動の背景は十分理解できているだろうという前提で聞いていたのです。
しかし、こともあろうことか、彼が言ったのは、
「会社の売上をあげて、競合他社に勝つために行います」
でした。
はっ?何かの宗教ですか?
もうね、ブチギレですよ。
冗談で言っているようには思えない雰囲気でした。彼にしてみれば本気のようです。
どうも、彼が言っているオフショアを活用するために、彼が掲げた3つを実行すれば、何か夢のようなことが起きると本気で思っているらしいです。
いや、思い込んでいるらしい。
そこから二時間説教です。
彼は、既に上司に対して、彼が掲げた3つを実行しますというレポートを出してしまっているらしく、承認されて任されているとかいう状況でした。しかも、今月中に実行計画をまとめないといけないらしい。
「だから、どうした?」って思ってしまいました。
「何のためにそれをやるのか」という質問に答えられない人が掲げた手法を誰が信じますか?
そもそも、意味があるとは思えないし、できるとも思えない内容でした。
そんな活動に協力するほど、私は暇じゃないです。
しかし、無駄なことを社内規定にされると、とても迷惑になるのは私です。
やばそうな気配をビンビンに感じ取れました。
「まず、誰が何を具体的に困っていて、どのような対策をすることで、何が解決できるという説明ができるようにしてください」と、お願いをしました。
翌日、彼は、各部署の主要メンバーを集めて、同じ説明をしていたので、全員から同じように集中砲火です。私は大人しくしてましたよ。
「何が問題なのでしょうか?」
「なぜ問題が解決できると考えているのでしょうか?」
デジャブです。
懲りないんでしょうか?
それとも、私の昨晩言ったことなんて、うるさいおじさんが何か言っている程度で、戯言だと思ってながしていたのでしょうか?
信用全くされていないのでしょうね。寂しいです。
ちゃんと情報を聞き出して、整理しましょうということで、そこからマインドマップ大会です。
彼が掲げた3つの方策をキーにして、全員で関連するワードをどんどんだしてもらって、問題の本質の掘り出しを行います。
- できるだけ短いワードでつなげる。
- 体裁や、枝の形は気にしない。
- ワードから関連するワードをとにかく拾い上げる。
- 本当に困っていることは何ですか?
- 目的をもって掘り下げる。
- それ以外のルールは、まったく無いことがルールだと意識する。
そもそも物事の本質は何なのか、意見を出してもらうにはどうすれば良いのか、こんな初歩的なことを全員にレクチャーするはめになりました。
どんどん意見を出してもらっている中で、
「過去の経験、今の実情として困っている内容は何ですか?」
という質問を繰り返します。誘導尋問のような世界です。
私がまとめたかった内容の意見が、いろいろな角度から、どんどん出てきます。
マインドマップをうまく使えば、私は謎のツボを高額で売りつけることができるようになる気がしてきました。
皆さん、マインドマップの悪用はしないように気をつけましょうね。
あとは頑張ってまとめて整理して欲しい。