さてさて、そろそろ何か始めないとな

さいたま市のソフトウェアエンジニアのブログ

今後の自動車業界は、どうなるの?そんなことで良いの?

10年、20年というのは、とても長い

私は20年近く、自動車関連の業界でソフトウェアエンジニアとして働いてきました。

20年というのは、長いです。

当時、この会社で作っていた製品に魅力を感じて、関連する製品作りに携わってみたいという思いが強く転職して、現在のこの会社に来ました。

私は、その前職では、車載器とも組み込みとも全く縁の無いところで、ソフトウェア開発を10年行ってきていました。C言語での開発をこれから始めようという職場に配属されて、先輩方にC言語を教えつつ、OS2/Warpが出始めた頃の時代で、Windows ServerやLinux Serverなんて存在していませんでした。まだNetwareのServerというものが存在していた時代です。(完全に歳がバレますね)

常に新しい言語や技術を取り込んで、日々進化するソフトウェア業界に必死についていきながら、製品を検討して、設計から開発までを行うという業務を繰り返してきました。

そんな私が、分野も違う製品に魅力を感じたというのは、ユーザーが使って非常に便利な製品であることはもちろんなのですが、それよりも、製品に伸びしろを強く感じていました。

この会社の製品を数年見てきたのですが、進化を感じなかったのです。

「あれれぇ?どうして数年前から機能が追加されないの?性能が上がっていかないの?」

そんな疑問を強くもっていましたので、転職してからは、作り方や設計の問題点、開発体制の問題点など、様々に勉強させてもらって、たくさんの改善を行ってきました。

当時組み込みのソフトウェア屋さんは、組み込み以外のソフトウェア屋さんを信用していないところがありました。そして、知っている技術範囲が狭いのです。最新のソフトウェアを活用しようと思いませんし、やり方がわからないようでした。

確かに、組み込み経験の無いソフトウェアエンジニアさんは、メモリーリソースを気にしない、CPUリソースも気にしないようなソフトウェアを平然と作り上げる人達が多かったです。そのため、信用できないという気持ちもわかります。

しかし、私も組み込みソフトウェアとしては素人の状態から、少し教えてもらえば理解できましたし、注意点も把握できました。だから、誰にでもできると実感できていました。

組み込みソフトウェアを経験した担当さんにだけ頼っていたら、ソフトウェアの発展は乏しいです。どんどん新しいソフトウェアベンダーさんと協力してもらって、開発をすすめるようにしました。

そして、どんどん、みんなの力を借りて作り直ししました。

どんどん新しい技術を取り込みできるような設計に見直しをしました。

そして、どんどん性能改善、機能追加をしていきました。

 

私がこの会社で仕事を始めた20年前、main の SoCはルネサスのSH4でした。SSDなんてありませんでした。DDR SDRAMもありませんでした。OSはReal Time OSのみで、Linuxが使える状況ではありませんでした。

それが現在では、SoCの性能はどんどん上昇して、RAMもGByte単位が当たり前になって、CD-ROMやHDDなんて、使われなくなってしまいました。OSはLinuxが当たり前。

USBでの接続も当たり前、BluetoothやWiFiも普通に使えるようになりました。スマートフォンの性能もどんどん上がっていきます。

時代とともにデバイスもソフトウェアも進化していきます。進化しなかったことなんて、ありません。

20年って本当に長いです。

という前置き。

昨今の自動車業界の動向

自動車関連業界が儲かっているということは、いろいろな企業の方と話しをしていると良くわかってきます。小さな企業に対しても巨額の投資がされています。

私の現職も自動車関連事業に取り組んでいますが、赤字続きです。どうも、世の中とは少し違っているようです。

 

今後の自動車は中央集約型になっていくという説明も良く聞きます。先日の担当者さんも仰っていました。とても性能の良いデバイスを搭載して、そこに制御を集中させたいということのようです。

私個人としては、ありえない未来だと思っています。自動車は10年以上利用される製品です。しかし、スマートフォンにしてみても、この10年でのCPUやメモリのスペック増加は著しいものです。したがって、自動車業界が進めようとしている中央集約型の考え方には意を唱えたい思いが強いです。

10年、20年という周辺デバイスの進化、ソフトウェアの進化の速度を自動車業界の方々でさえ認識しているはずなのです。

間違いなく、今の自動車を購入したユーザーは10年後満足していないことでしょう。

スマートフォンと違って、そんな簡単に買い替えを進めることができない製品を作っているはずなのです。それが自動車メーカーの人達は、わかっていないように思えます。わかってないフリをしている?

 

先日も、私用でとある業界の営業さんの車に乗せていただきましたが、その営業さんの車にNavigationシステムがあるのに、個人のスマートフォンでGoogle Mapを必死に使っていらっしゃいました。

Google Mapよりも日本製の車載Navigationの方が良いところは多いのですが、操作はどこも独特なので、使い慣れているGoogle Mapになってしまうのは、納得です。

 

10年後の2032年に、現在のスマートフォンのスペック以下のデバイスが搭載された自動車で、満足できるサービスが提供できるのでしょうか?

2022年の現在に、10年前の2012年の頃の一般的な高性能なハードウェアスペックというのは、通用してますか?

 

テスラ社の真似ばっかりして、いいことありませんよ。テスラのユーザーは10年以内にテスラを買い替える前提の裕福な顧客ばかりです。

日本の自動車メーカーが10年の利用も耐えない製品を出すのを目標にしているのは、ダメだと思います。

どうするのでしょうね。是非、考え直してもらいたいものです。

 

そんなこんなで、自動車関連業界に、これ以上あまり関わりたくありません。

間違っていると思っていることに、今後の人生使う気にはなりません。

 

しかし、自動車業界はお金をもっています。

自動車関連の職種にいれば、お給料は安泰です。困りました。

 

 

 

 

ところで、Hatena Blogで利用できる「アイキャッチ画像を作る」という機能を試してみたのですが、Canvaの無料テンプレートの画像って、Freeなの?

利用規約が記載されたページが見つからないのです。誰か教えてw