さてさて、そろそろ何か始めないとな

さいたま市のソフトウェアエンジニアのブログ

SDカードの仕組み、この小さな中でもソフトウェアは頑張っている。

SDカード

いまの時代、SDカードを持っていない人は居ないでしょう。

携帯電話、デジタルカメラ、パソコン等では無くてはならない存在になっています。

SDカードの規格とデバイス技術の進歩

SDカードは、32mm×27mmの大きさで、重さが 約2gのカード型の記憶媒体です。

マイクロSDカードに至っては、15mm×11mm、約0.4gです。

サイズや、形や、データをやりとりする仕組みなどがしっかりと決められています。

このSDカードの規格は、現在のパナソニックとサンディスクと東芝によって制定されました。

当初は、16MBとか32MBの容量が主流でしたが、2019年の現在では、128GB、256GB、512GBと、どんどん大容量になっています。

読み込み速度もClass2の2MB/secから、Class10の10MB/secまで早くなっています。規格上は、もっと上がありますが、現在の主流はClass10です。

これだけの容量や性能になっても、当時決められたサイズのままです。

まだ、最初のSDカードが発売されてから20年しか経ってません。

いまでは、皆さん当たり前に使っているマイクロSDカードですが、この0.4gの中に、256GBのデータが入っているとか信じられません。

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技術の進歩って、本当に、すごいですね。

さらに少し前の時代は、Floppy Discというものがあって、1枚で1.4MBの容量が記憶できるだけでも凄かったのです。Floppy Discが一般家庭で使われるようになる前は、カセットテープですからね。・・・・さらに前は磁気テープですが。

256GBっていったら、フロッピーディスク 256,000枚・・・・・。

SDカードの「SD」って、どういう意味?

いきなりの余談です。

1999年 SD規格が定められた当初は、Secure Digital Memory Cardと呼ばれていましたが、2006年以降は、このSecure Digitalという元々の意味がわかりにくいということから、使われなくなって、現在のSD Memory Cardとなっています。

そのため、SD Memory CardのSDがどういう意味かと言われても、過去の名残りという説明しかできません。だから、今のSDカードの「SD」に意味はありません。

ちなみに、USBは、Universal Serial Bus。DVDは、Digital Versatile Disc。ちゃんと意味があります。

 

SDカードって、いったい何者?

たった0.4gの極小のカードに256GBのデータが保存できるのは、何故でしょう。

SDカードの中は、大量のNANDフラッシュメモリという部品がたくさん入っています。

NANDフラッシュメモリっていうのは、0と1を保持することができる箱(半導体)です。

一つの0と1を保存できる箱をセルと呼びますが、このセルの大きさが、技術の進歩とともに、どんどん小さくなっていきます。

256GBのサイズだと、この小さなカードの中に1兆個以上のセルが入っていることになります。

最近では、さらに技術が進んで、一つのセルで、0と1だけでなくて、0と1と2が保存できたり、さらに多くの値を保存できる仕組みが開発されてきています。これで、さらに大容量化でできるかもしれない状況となっています。

SDカードの命は、実はソフトウェア

SDカードの中には、大量のセルが存在します。

SDカードにデータを書き込んだり、読み込んだりするスマートフォンやパソコン、デジタルカメラは、どこのセルにデータを書き込むのかなんていうのは、まったく気にしてくれません。

そして、ひとつのセルは10万回から1万回の書き換えをすると、それ以上のデータが保存できなくなってしまいますので、長く使っていると、使えるセル、使えないセルが生まれてきます。

スマートフォンやパソコンは、そんな難しいことは一切お構いなしに、「データ書いて!」「データちょうだい!」っていうだけです。

その要求に対して、どのセルに、どのデータを書けば良いのかを一生懸命考えているのは、実はSDカードの中に入っているソフトウェアなのです。

私達が、撮影した写真データ、お気に入りの音楽データをSDカードに保存するとき、SDカードの中に入っているソフトウェアは、使えるセルがどこなのかを必死に探して、保存します。 急いで保存しないとどんどん新しいデータが来てしまいます。

必死に使えるセルを探して、保存しているところであっても、お構いなしに「今すぐ、違うデータを読んで来い!」と命令されます。それに対しても、文句も言わずにすぐ応答しなければいけません。

本当に大変な仕事が、0.4gの中で行われているのです。大変ですね。

この大変な仕事をしているソフトウェアは、SDカードを製造している各社でそれぞれ作られています。型番が変われば違うソフトウェアになっています。

すばやく、的確な動作ができる、どんな無茶振りな要求に対しても、できる限り最適なロジックで処理ができるソフトウェアが作られています。

あまり重要視さえていませんが、このソフトウェアのロジックの良し悪しがSDカードの性能や品質に大きく関連しています。

おわりに

今では、SDカードを製造する大手メーカー毎に、大きな性能の差は無くなってきていると思います。信頼度も非常に高いです。

しかし、やはり多少違うのです。その差は我々には全くわかりません。

これからは、そんなソフトウェアが存在していることも気にして、SDカードを使ってみてください。

ひとが作るソフトウェアです。たまに間違います。^^;

ある一定の使い方をすると、データが消えます、飛びます。事実いまでも偶にあります。

そんな事態になったら、激しく怒りを覚えるところですが、結構大変な仕事をしてくれているソフトウェアです。

この大変な仕事に対して、ちょっとは多目にみてあげても良いかな、などと思ってくれる方がいれば、世界が少し平和になりそうです。

USBメモリーやSSDメモリーも、同じような仕組みで、中身は大量のNANDフラッシュメモリです。必死に中のソフトウェアが頑張っています。

いっぱい書いて、いっぱい読むことを繰り返していると、いつかデータ消えてしまうかもしれないと思いながら、そっと、使うことをオススメします。

 

NANDフラッシュは書き込み回数の制限があって、いつか書き込みできなくなる日がくることも忘れずにね。